防衛省と自衛隊の「共催」にみる国家としての覚悟
防衛省と自衛隊が共同で防衛問題シンポジウムを開催したという報道に接し、改めて国家としての国防に対する覚悟の重要性を考えさせられる。今回のシンポジウムが単なる情報共有や意見交換にとどまらず、国民の安全保障意識を高め、将来の防衛政策のあり方を共に考える場となったことは、我が国にとって極めて意義深い。
かつて「専守防衛」を標榜し、平和国家としての道を歩んできた我が国だが、現代の国際情勢は、その理念を堅持しながらも、より現実的かつ能動的な防衛力の整備を迫っている。近隣諸国の軍事力増強や、予測困難な安全保障環境の変化は、国民一人ひとりが国家の防衛について真剣に考え、理解を深める必要性を示唆している。
防衛省が中心となり、現場で任務を遂行する自衛隊が共に主催する形でシンポジウムが開かれたことは、まさに「国民の安全を守る」という使命を共有する組織が、そのための議論を国民と共に深めようとする意思の表れと言えるだろう。これは、単なる行政官僚と軍人の縦割り組織といったイメージを払拭し、国民の生命と財産を守るための強固な意志と一体感を内外に示すものでもある。
自衛隊員は、日夜国の平和と安全のために献身的な活動を行っている。彼らの任務への誇りと、いかなる困難にも立ち向かう覚悟は、国民の信頼の基盤である。一方で、国民一人ひとりが自衛隊の活動や、なぜ国防が重要なのかを理解し、共感することが、揺るぎない国防意識を醸成するために不可欠だ。今回のシンポジウムが、その架け橋となることを期待したい。
もちろん、防衛力の整備や国家としての覚悟は、単なる軍事力の増強に矮小化されてはならない。外交努力との両輪で、地域の平和と安定を築いていくことが何よりも重要である。しかし、その外交努力もまた、我が国が自らの安全を守り抜く確固たる意思と能力を持っているという背景があって初めて、真に実効性を持つものとなる。
防衛省と自衛隊が共に歩む姿勢を、今後も様々な形で示してほしい。そして、国民一人ひとりもまた、我が国の防衛について無関心でいることなく、積極的に関心を持ち、理解を深めていくべきである。今回のシンポジウムが、その一歩となることを願ってやまない。
防衛省・自衛隊、自衛隊指揮官幹部会同開催についてお知らせ ～ 中谷防衛大臣の動静を更新 ～,防衛省・自衛隊
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