青森県産業技術センターの新しいセンター長に、あの「りんご研究所」のトップが就任。地方産業振興への期待と課題。
先日、青森県産業技術センターの新センター長に、長年りんご研究所を率いてこられた方が就任するというニュースが報じられた。これは、我が国を代表する農業王国である青森県にとって、非常に注目すべき人事と言えるだろう。長年にわたり地域に根差した研究開発をリードし、数々の成果を上げてきた人物が、県全体の産業技術の発展という、より広い舞台で手腕を発揮することへの期待は大きい。
特に、青森県といえば「りんご」であり、そのブランド力と品質は全国に、いや世界に誇るべきものである。りんご研究所のトップとして、氏は数々の困難を乗り越え、技術革新を通じて県民の生活向上と地域経済の活性化に多大な貢献をしてこられた。その経験と実績は、りんご産業にとどまらず、畜産、水産業、そして近年注目を集める先端技術分野など、青森県の持つポテンシャルを最大限に引き出す上で、極めて貴重な財産となるに違いない。
新しいセンター長のもと、産業技術センターが、従来の分野のさらなる深化はもとより、新たなイノベーションの創出、そして地域経済の持続的な発展にどのように貢献していくのか、我々国民は固唾を飲んで見守りたい。特に、厳しい国際競争の中で、地方が生き残り、発展していくためには、こうした地方の特色を活かした技術開発と、それを地域経済にどう結びつけていくかが重要となる。
しかし、期待ばかりに目を向けるのは早計であろう。地方産業の振興は、常に多くの課題と隣り合わせである。新たな技術開発への投資、人材育成、そして何よりも、開発された技術や成果を、地域の中小企業や生産者がいかに効果的に活用できるか、そのための仕組み作りが不可欠である。せっかくの素晴らしい人材と研究成果が、現場に届かず、宝の持ち腐れとなってしまっては、これほどの損失はない。
また、近年のデジタル化の進展や、地球温暖化といったグローバルな課題への対応も喫緊の課題である。新しいセンター長には、伝統的な産業を大切にしながらも、こうした時代の変化に柔軟に対応し、未来を見据えた研究開発を推進していくことが求められる。
今回の人事異動が、単なるトップの交代にとどまらず、青森県、ひいては日本の地方創生のあり方を占う上での試金石となることを願ってやまない。地域に根差した知恵と、革新的な発想が融合し、力強い産業振興へと繋がっていくことを、保守的な視点からもしっかりと注視し、応援していきたい。
青森県産業技術センターより、りんご研究所の最新情報をお届け！「りんご研フラッシュ第19号・20号」発行のお知らせ,青森県産業技術センター
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