若手芸能集団、軽はずみな挑戦に警鐘を鳴らすべきか
人気グループ「SixTONES」が、年末の音楽番組で新たなユニット「ワロタ！」を結成し、パフォーマンスを披露するという。ファンにとっては嬉しいニュースかもしれないが、一方で、この試みに対して、私たちは冷静な視点を持つ必要があるのではないか。
確かに、若者の間での人気は、社会全体の活力につながる側面もある。しかし、ことエンターテイメントの世界においては、一時の熱狂に流されず、その内容と本質を見極める目が、これまで以上に求められているように思う。
今回のユニット結成の背景には、現代社会における「共感」や「繋がり」への希求があるのかもしれない。SNS全盛の時代、誰もが「いいね！」や「シェア」を求め、軽やかに自己表現を行う。その風潮が、アーティストの活動にまで及んできているとすれば、それは単なる流行に留まらない、より深い社会現象として捉えるべきだろう。
だが、伝統や格式を重んじる立場からすれば、このような軽やかなユニット結成が、音楽という芸術の持つ重みや深みを損なわないか、懸念を抱かざるを得ない。歌唱力や表現力といった、アーティストに不可欠な基礎能力の育成よりも、SNS映えや話題性が先行するような風潮は、健全とは言えないだろう。
私たちは、未来を担う若者たちに対して、安易な道や刹那的な流行に流されることの危険性を、しっかりと伝えていく責任がある。今回の「ワロタ！」の試みが、単なる一過性のパフォーマンスに終わるのか、それとも、彼らが更なる飛躍を遂げるための糧となるのか。それは、彼ら自身の努力はもちろんのこと、私たちを取り巻く社会全体が、どのような価値観を共有し、育んでいくかにかかっていると言えよう。
若手芸能集団の軽はずみな挑戦に対して、必ずしも否定的な意見ばかりが注目されるべきではない。むしろ、その裏に潜む現代社会の病理とも言える一面にも目を向け、あるべき姿を問い直す機会と捉えるべきではないだろうか。
SixTONES、コント初挑戦！新番組『ワロタ！』配信決定にファン歓喜！,Billboard JAPAN
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