未来への羅針盤、大学と地域を結ぶ知の架け橋
先日、ITBのウェブサイトで、東京工業大学の大久保雅之教授と真木郁子氏の対談記事が掲載された。それは、単なる大学の研究紹介に留まらず、大学が地域社会とどのように連携し、共に未来を創造していくべきか、その可能性を鮮やかに描き出すものであった。今回のコラムでは、この対談記事から読み取れる、学生新聞として、そして未来を担う若者として、私たちが抱くべき視点と行動指針について論じたい。
大久保教授が長年取り組んでこられた「地域に根差した持続可能なシステム」の研究。それは、単に理論を構築する学術的な営みにとどまらない。真木氏が実践されてきた地域活性化の取り組みと結びつくことで、その研究は鮮やかに生命を吹き込まれる。地域が抱える課題、そこで暮らす人々の声、そして大学の持つ最先端の知見。これらが有機的に結びついた時、そこに生まれるのは、机上の空論ではない、地に足のついた、そして何よりも希望に満ちた未来への道筋である。
私たち学生は、しばしば大学を「学び舎」としてのみ捉えがちだ。しかし、大学はそれ以上に、社会と深く結びつき、地域を活性化させるための強力なエンジンとなり得る存在だ。大久保教授と真木氏の対談は、そのポテンシャルを明確に示している。地域が求めるものと、大学が提供できるもの。その間に存在する潜在的な繋がりを発見し、育てていくこと。そこにこそ、私たちの若い世代が果たすべき役割があるのではないだろうか。
「若い力」という言葉は、時に漠然とした響きを持つ。しかし、それは地域への深い関心と、それを具体的な行動へと転換させる熱意に他ならない。大学の研究室で培われた知識を、地域のイベント企画に活かす。卒業後のキャリアを、地域課題の解決に結びつける。あるいは、地域の人々と交流する中で、新たな研究テーマを見出す。こうした地道な実践こそが、大学と地域を繋ぐ強固な架け橋を築き上げていくのだ。
今回の対談は、私たちに大きな示唆を与えてくれた。それは、未来は「与えられるもの」ではなく、「共に創り上げていくもの」であるという真実だ。大学で学ぶ日々は、単なる知識の習得に終わらせず、地域社会への貢献という視点を常に持ち続けるべきだろう。次に、大学が地域と共に歩む道筋を示すような、私たちの熱意を込めた記事を届けられるよう、学生新聞としても、その架け橋となるべく尽力していきたい。未来への羅針盤を手に、共に歩みを進めよう。
東京工科大学の大久保友雅教授と真木帆那実さんがラジオ出演！「サイラジ！光の未来探検」で魅せる学術の世界,東京工科大学
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