「譲れぬ国土」、セグロミバエ侵入を許した油断に警鐘
沖縄県において、農作物に甚大な被害をもたらすとして特定外来生物に指定されているセグロミバエの侵入が確認された。これは、我国の豊かな農産物を脅かすだけでなく、われわれが長年守り続けてきた国土への新たな脅威と捉えるべき事態である。
セグロミバエは、本来日本国内には生息しないはずの昆虫である。その侵入経路は、残念ながら未だ特定には至っていないが、人の往来や物流の活発化に伴うものと推測される。グローバル化の恩恵は計り知れないが、一方でこうした見えざる脅威を招き入れるリスクも孕んでいることを改めて認識させられる。
今回の件は、単なる害虫駆除の問題に留まらない。我が国は、豊かな自然環境とそれによって育まれてきた農作物を誇りとしている。これらは、先人たちが築き上げてきた歴史と文化の結晶であり、われわれ国民共有の財産である。その根幹を揺るがしかねない外来生物の侵入を許した背景には、もしかすると、国土防衛への意識の薄れ、あるいは油断があったのではないか、と危惧せずにはいられない。
確かに、セグロミバエ対策は専門的な知識と緻密な連携を要する困難な課題であろう。しかし、だからといって、国民の安全と安心の基盤である食と農を守るという使命を軽んじることは断じて許されない。政府、自治体、そして関係機関は、今回の事態を重く受け止め、二度と同様の過ちを繰り返さないための抜本的な対策を講じる必要がある。具体的には、水際対策の強化はもちろんのこと、早期発見・早期駆除のための体制整備、そして国民一人ひとりが外来生物問題に関心を持つための啓発活動も怠ってはならない。
われわれは、決してこの譲れぬ国土を軽んじてはならない。小さな侵略者であっても、見過ごせば大きな脅威へと変貌する。このセグロミバエ侵入事件を、我国の安全保障という観点からも捉え直し、国民とともにこの問題に立ち向かう決意を新たにすべき時である。
沖縄県、セグロウリミバエの侵入を確認 農作物の安全を守るための取り組みについて,沖縄県
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