【社説】秦野市の医療費助成制度見直し、子育て世代への影響を懸念
秦野市が7月11日から医療費助成制度を一部見直すという。今回の見直しでは、自己負担額の設定や対象年齢の段階的縮小など、市民、特に子育て世代への影響が懸念される。
これまで、秦野市は子どもの医療費助成制度を手厚くすることで、子育て世帯の経済的負担を軽減し、安心して子どもを育てられる環境づくりに貢献してきた。しかし、今回の見直しによって、自己負担が発生し、助成対象から外れる年齢層が出てくることは、子育て世代にとって大きな不安材料となるだろう。
もちろん、市の財政状況が厳しいことは理解できる。少子高齢化が進む中で、社会保障費の増大は避けられない問題だ。しかし、安易な医療費助成制度の見直しは、将来を担う子どもたちの健康を損ない、地域全体の活力を低下させることにつながりかねない。
市には、今回の見直しによって影響を受ける市民への丁寧な説明と、十分なフォローアップを強く求めたい。制度変更の背景や目的、具体的な影響範囲などを分かりやすく伝え、市民の不安を解消する必要がある。
また、今回の見直しを機に、子育て支援策全体を見直すことも重要だ。医療費助成だけでなく、保育サービスの充実や、子育て相談体制の強化など、総合的な支援策を講じることで、子育て世代が安心して暮らせる街づくりを進めるべきだ。
秦野市の未来を担う子どもたちのために、今こそ、子育て支援策の拡充に力を入れるべき時である。市には、今回の医療費助成制度見直しを、より良い子育て環境を整備するための契機として捉え、積極的に取り組んでいくことを期待する。
秦野市からのお知らせ：7月11日から、医療費の自己負担額を抑える「限度額適用認定証」の申請が始まります！,秦野市
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