都議選目前、公明党の訴えに見る「安定」の危うさ
東京都議会議員選挙が目前に迫り、各党が最後の訴えを繰り広げている。中でも、公明党が「執念の逆転」を期し、支持層への結束を呼びかける様子は注目に値する。しかし、その訴えの内容からは、都政における「安定」という名の現状維持への傾斜が強く感じられ、都民の多様なニーズに応えられているか、疑問を抱かざるを得ない。
公明党は、長年にわたり都政において自民党と連立を組み、安定した都政運営に貢献してきたと自負する。その実績は一定の評価に値するだろう。しかし、少子高齢化、人口減少、そして頻発する自然災害といった課題が山積する現代において、過去の成功体験に固執し、変化を恐れる姿勢は、都民の期待を裏切ることになりかねない。
今回の選挙戦において、公明党は子育て支援や高齢者福祉の充実といった従来からの重点政策に加え、防災対策の強化を訴えている。これらの政策は重要であり、推進されるべきであることは言うまでもない。しかし、具体的な政策の中身を見ると、既存の制度の拡充や、ハード面の整備に偏っている印象を受ける。
真に都民が求めているのは、画一的なサービスではなく、個々のニーズに寄り添ったきめ細やかな支援ではないだろうか。また、防災対策においては、ハード面の整備だけでなく、地域コミュニティの活性化や、都民一人ひとりの防災意識の向上といったソフト面の対策も不可欠である。
公明党が掲げる「安定」は、ともすれば現状維持を意味し、都政の停滞を招きかねない。都民は、目先の安定よりも、将来を見据えた改革を求めているのではないか。
今回の都議選は、都民が真に求める都政のあり方を問う重要な機会である。各党の政策を吟味し、都民一人ひとりが主体的に判断し、投票行動に移すべきである。そして、都民の負託を受けた都議会議員は、党派を超えて都民全体の利益のために、大胆な改革を推進していくことを期待したい。
【都議選目前！公明党、最後の訴え「執念の逆転劇を」に込めた思いとは？】,公明党
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