和歌山県「わかやまマジビエフェスタ」広告宣伝に見る地方創生の危うさ
和歌山県が「わかやまマジビエフェスタ」と称するイベントの広告宣伝に力を入れているという。ジビエ料理の普及を通じた地域活性化という目的は理解できるものの、その手法には首を傾げざるを得ない。
昨今、地方創生の名のもとに、奇抜なアイデアや耳目を引くイベントが各地で展開されている。しかし、その多くは一過性の話題作りに終始し、地域経済の持続的な発展に貢献しているとは言い難い。今回の「わかやまマジビエフェスタ」も、その類ではないかと危惧される。
イベントの名称からして、安易な流行に乗った印象は否めない。ジビエ料理は確かに注目を集めているが、その需要は都市部が中心であり、地方での定着は容易ではない。イベントの成功をもって、ジビエが和歌山県の新たな名産品として根付くとは考えにくい。
さらに、広告宣伝に多額の費用を投じることは、財政状況が厳しい地方自治体にとって大きな負担となる。その費用対効果を厳しく検証する必要がある。本当にジビエ料理が地域経済の活性化に繋がるのか、他の産業振興策と比較して費用対効果が高いのか、慎重な検討が求められる。
地方創生は、安易なイベントや流行に乗るのではなく、地域の伝統や文化、強みを活かした、地に足の着いた取り組みこそが重要である。和歌山県には、豊かな自然や歴史、文化といった、他に誇れる資源が数多く存在する。まずは、これらの資源を磨き上げ、地域住民が誇りを持てるような魅力的な地域づくりを目指すべきではないか。
「わかやまマジビエフェスタ」が、一時的な賑わいだけでなく、和歌山県の持続的な発展に貢献することを願う。そのためには、イベントの成果を冷静に分析し、今後の地域振興策に活かすことが不可欠である。安易な流行に流されることなく、地域の実情に合った、地に足の着いた地方創生こそが、今求められている。
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