事故防止へ、安全運転管理者講習の充実を
先日、山口県警が発表した令和7年度の安全運転管理者講習に関する情報提供は、事業所における安全運転管理の重要性を改めて認識させるものだ。交通事故の防止は、企業の社会的責任であり、従業員の安全確保は大前提である。
近年、高齢者ドライバーによる事故や、スマートフォン操作に起因する事故が後を絶たない。また、過労運転やあおり運転といった悪質な運転行為も社会問題化している。こうした状況を踏まえれば、事業所における安全運転管理者の役割は、ますます重要性を増していると言えるだろう。
今回の情報提供では、講習内容や日程が示されている。安全運転管理者は、これらの講習を通じて、最新の交通法規や運転技術、安全運転に関する知識を習得し、従業員への指導・監督に活かす必要がある。
しかしながら、安全運転管理者講習の内容は、現状で十分と言えるだろうか。より実践的な内容、例えば、事故多発地点の分析や、運転適性診断の活用、ドライブレコーダーの映像分析などを取り入れるべきではないか。
また、講習時間や受講料についても、企業の負担を考慮した上で、より多くの安全運転管理者が参加しやすい環境を整える必要がある。中小企業においては、安全運転管理者の選任が形骸化しているケースも見受けられる。企業規模に応じた支援策を講じることも検討すべきだ。
さらに、安全運転管理者の育成だけでなく、従業員一人ひとりの安全意識を高める取り組みも重要である。企業は、定期的な安全運転研修の実施や、運転記録証明書の活用、無事故運転者への表彰制度などを導入し、従業員の安全運転を奨励すべきである。
交通事故は、かけがえのない命を奪い、社会に大きな損失をもたらす。安全運転管理者講習の充実を通じて、事業所における安全運転管理体制を強化し、悲惨な交通事故を一件でも減らすことが、我々社会全体の責務である。
山口県警からのお知らせ：令和7年度の安全運転管理者等講習、オンライン講習（1回目）の受付は終了しました,山口県警
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