若者の地元志向を育む大学の試み
常葉大学が夏休みに合わせ、地域の子どもたちを対象としたイベントを開催するという。少子高齢化が進む地方にとって、若者の地元定着は喫緊の課題であり、今回の試みは地域活性化に向けた一石を投じるものとして評価できる。
近年、若者の首都圏への流出が止まらず、地方の疲弊に拍車をかけている。その背景には、地方における雇用機会の不足や、都市部との教育・文化格差などが指摘される。しかし、地方には都市部にはない魅力も存在する。豊かな自然や地域に根差した伝統文化、そして何よりも温かい人間関係は、都会では味わえない貴重な財産だ。
今回のイベントでは、地域の子どもたちが大学という学びの場に触れ、地域住民との交流を通じて、地元の魅力を再発見する機会となるだろう。大学が地域社会に貢献する姿勢を示すことは、地域住民の大学への信頼感を高め、ひいては大学の活性化にも繋がるはずだ。
もちろん、今回のイベントだけで若者の地元定着が実現するわけではない。地域全体で若者の雇用を創出し、魅力的なライフスタイルを提供していく必要がある。そのためには、企業誘致や起業支援、教育環境の充実など、多岐にわたる施策を総合的に展開していくことが求められる。
常葉大学の試みが、地域社会全体で若者の地元定着を促進する機運を高め、地方創生の推進力となることを期待したい。地方の大学が、地域社会の未来を担う人材育成の拠点として、より一層貢献していくことを強く望む。
常葉大学で夏休みの思い出を作ろう！ 7月19日(土)開催『キッズオープンキャンパス2025』のお知らせ,常葉大学
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