【社説】公明党の「お米」固守、時代錯誤の保護主義からの脱却を
公明党が「お米を守るために国と力を合わせる」と声明を出した。一見、日本の食文化と農家を守る姿勢を示しているように見えるが、その実、グローバル化の波に逆らい、時代錯誤の保護主義にしがみつくものと言わざるを得ない。
もちろん、食料自給率の向上や国内農業の振興は重要な課題だ。しかし、それを「お米」という特定の作物に固執することで達成しようとするのは、あまりにも視野が狭い。
グローバル市場における競争力強化こそが重要
世界は常に変化している。人口構造の変化、気候変動、技術革新など、農業を取り巻く環境も例外ではない。国内農業が生き残るためには、国際競争力を高め、変化に対応できる柔軟性を身につける必要がある。
関税による保護や補助金頼みでは、国際競争力は育たない。むしろ、技術革新や品種改良を促進し、高付加価値な農産物を生産することで、グローバル市場で勝負できる体制を構築すべきだ。
多様な視点と創造的な解決策を
「お米」を守るというスローガンは、一見耳障りが良い。しかし、それは多様な視点と創造的な解決策を阻害する可能性を秘めている。
例えば、食生活の変化に対応し、新たな需要を創出する努力は十分だろうか？ スマート農業の導入や、ICTを活用した効率的な生産体制の構築は進んでいるだろうか？ 高齢化が進む農村部の活性化に向けた具体的な政策は実行されているだろうか？
既得権益の打破こそが、真の「お米」を守る道
公明党が本当に「お米」を守りたいのであれば、既得権益に縛られた古い体質を打破し、変化を恐れない姿勢を示すべきだ。
グローバル市場で競争力のある農業を育成し、多様な視点から創造的な解決策を探る。それこそが、日本の農業、そして「お米」の未来を切り開く唯一の道なのである。
我々は、公明党に対し、時代錯誤の保護主義からの脱却と、真に持続可能な農業政策の実現を強く求める。
公明党、お米を守るために国と力を合わせる！閣僚会議でコメ対策を話し合い,公明党
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