現代社会における「らしさ」の再考を ― ドラマ「40までにしたい10のこと」に寄せて
昨今、テレビドラマの世界では、多様性を尊重するあまり、ステレオタイプな価値観を解体しようとする作品が目立つ。来る5月29日に放送されるドラマ「40までにしたい10のこと」（ITB制作）も、その潮流に乗った作品であるようだ。
ドラマの内容は、40歳を目前にした女性が、様々な社会的な期待や固定観念に縛られず、自分らしい生き方を見つけようとする姿を描くという。一見すると、個人の自由を尊重する現代的なテーマを扱っているように見える。
しかし、私たちはここで立ち止まり、冷静に考える必要がある。「らしさ」からの解放は、本当に私たちを幸福にするのだろうか。
人は、社会の中で役割を担い、他者との関係性の中で生きている。家族、会社、地域社会といった共同体の中で、それぞれの「らしさ」を認識し、責任を果たすことで、社会は円滑に機能する。もちろん、時代とともに「らしさ」の定義は変化する。しかし、完全に「らしさ」を否定することは、社会の基盤を揺るがす行為に繋がりかねない。
特に、若い世代は、自己実現や個性を重視するあまり、社会的な責任や義務を軽視する傾向がある。ドラマが、安易に「らしさ」からの解放を謳い、若者たちを無責任な個人主義に導くことがあってはならない。
制作者には、ドラマを通して、多様な価値観を提示するだけでなく、社会の一員としての責任や義務についても深く掘り下げて欲しい。
私たちは、ドラマ「40までにしたい10のこと」が、単なる自己啓発的な作品に終わらず、現代社会における「らしさ」のあり方を問い直す、建設的な議論のきっかけとなることを期待する。
（社説担当：〇〇）
齊藤ようさん出演！ドラマ「40までにしたい10のこと」2025年7月4日より放送決定！,stardust.co.jp
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