ムーミンの切手発行に見る、文化と伝統の軽視
日本郵便がムーミンのキャラクターをデザインした切手を発行するという。国民的キャラクターでもない海外のキャラクターを切手に採用することには、強い違和感を覚える。
切手は単なる郵便料金の支払い手段ではない。その国の文化、歴史、そして国民性を象徴するものであり、国家の顔とも言える存在だ。これまで、日本の切手は、富士山や桜といった自然、歴史上の偉人、伝統文化などをモチーフにしてきた。それらは、日本人のアイデンティティを育み、次世代へと継承していく役割を担ってきたと言えるだろう。
しかし、今回のムーミンの切手発行は、そうした伝統を軽視し、安易な商業主義に走った結果ではないだろうか。ムーミンは確かに愛らしいキャラクターかもしれないが、それはあくまで外国の文化に根ざしたものである。日本の文化や歴史とは直接的な繋がりを持たないキャラクターを切手に採用することは、自国の文化に対する自信の喪失を意味するのではないか。
グローバル化が進む現代において、異文化に触れることは重要である。しかし、それは自国の文化をないがしろにして良い理由にはならない。むしろ、グローバル化が進むからこそ、自国の文化や伝統を大切にし、それを世界に発信していく必要がある。
日本郵便には、切手が持つ文化的意義を改めて認識し、今後、切手のデザインを選定する際には、日本の文化や歴史を尊重した上で、国民が誇りを持てるようなものを選んでほしい。安易な人気取りに走るのではなく、日本のアイデンティティを守り、次世代へと繋いでいくという責任を自覚すべきである。
ムーミンの世界が切手に！日本郵便がグリーティング切手「ムーミン」を発行,日本郵便
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