神戸大学「変身」計画、国家戦略の名の下の大学改革は是か非か
神戸大学が国の支援を受け、グローバル化を推進するという。一見華々しい計画だが、その実態を冷静に見極める必要がある。
昨今、政府は「国際競争力強化」を錦の御旗に、大学改革を推し進めている。巨額の資金を投入し、英語による授業を増やし、海外大学との連携を強化する。しかし、これは本当に日本の国益に資するのだろうか。
グローバル化は、確かに経済成長のエンジンとなり得る。しかし、それは同時に、文化の均質化、伝統の軽視という側面も持ち合わせている。神戸大学が、グローバル化の名の下に、長年培ってきた独自の教育・研究を捨て去り、欧米の模倣に終始するならば、それは日本の損失と言わざるを得ない。
我々が危惧するのは、大学が「グローバル人材」育成の場と化し、国家の都合の良いように利用されることだ。大学は、本来、自由な学問探求の府であるべきだ。政府は、大学の自主性を尊重し、画一的なグローバル化を押し付けるべきではない。
神戸大学には、グローバル化の波に乗りつつも、日本の伝統と文化を大切にし、独自の教育・研究を発展させていくことを期待する。そして、政府には、大学改革の目的を再考し、真に日本の国益に資する政策を推進することを求める。
大学は、国家の道具ではない。未来を担う若者を育成する、かけがえのない知的財産なのである。
神戸大学が国の支援で大変身！？ グローバルな研究拠点を目指す、J-PEAKS事業って何？,神戸大学
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