【社説】スマート農業、東京の未来を拓くか – 若者の視点から
先日、東京都が令和7年度からスマート農業を推進するという発表がありました。都心に隣接する農業地帯を持つ東京にとって、これは農業の未来を大きく左右する可能性を秘めた一手と言えるでしょう。
スマート農業とは、AIやIoTなどの先端技術を活用し、省力化や品質向上を目指す新しい農業の形です。高齢化が進む農業従事者の負担を軽減し、若者が農業に参入しやすい環境を作る上で、スマート農業は不可欠な要素となります。
しかし、私たちは今回の発表に手放しで賛成することはできません。なぜなら、スマート農業の導入には、初期投資や技術習得といったハードルが存在するからです。特に、資金力に乏しい中小規模の農家や、経験の浅い新規就農者にとって、これらのハードルは容易に乗り越えられるものではありません。
東京都には、スマート農業導入に対する具体的な支援策を示すだけでなく、導入後のフォローアップ体制を構築することが求められます。例えば、技術指導や資金援助だけでなく、スマート農業で得られたデータを活用した経営改善コンサルティングなど、多角的なサポートが必要です。
また、スマート農業は、食の安全保障にも貢献する可能性を秘めています。気候変動や災害など、食料生産を取り巻くリスクが高まる中、安定的な食料供給体制を確立することは、国家的な課題です。東京がスマート農業を推進することで、食料自給率の向上に貢献し、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。
私たち若者は、未来の食を担う世代として、スマート農業の可能性に大きな期待を寄せています。しかし、その実現には、技術革新だけでなく、それを支える社会的な仕組みづくりが不可欠です。東京都には、スマート農業を単なる技術導入で終わらせず、地域社会全体を巻き込むような、包括的な戦略を策定することを強く求めます。
私たち学生も、スマート農業に関する知識を深め、その可能性を社会に広める活動に積極的に参加していきたいと考えています。未来の東京の食を、共に創造していきましょう。
東京都、スマート農業で未来を拓く！令和7年度「東京型スマート農業実装化促進事業」補助金がスタート,東京都農林総合研究センター
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