社説：万博と地域創生、真の連携で未来を拓け
2025年大阪・関西万博まであと僅か。三重県の知事と志摩市・南伊勢町の町長が、万博を地域活性化の起爆剤とするべく連携を深めているというニュースは、地方創生を願う我々にとって大いに期待を抱かせるものだ。
しかし、現状の取り組みは、まだ万博の「おこぼれ」を期待する域を出ていないのではないか。万博は単なる観光客誘致の機会ではない。真に地域を活性化させるためには、万博の理念と地域の固有の魅力を融合させ、革新的な価値を生み出す必要がある。
三重県には伊勢神宮をはじめとする豊かな歴史・文化遺産、そして豊かな自然がある。これらの資源を最大限に活用し、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」と結びつけることで、世界に発信すべきメッセージは無限に広がるはずだ。
例えば、伊勢神宮の「常若」の精神を、持続可能な社会の実現に向けたメッセージとして発信する。南伊勢町の豊かな漁業資源を活用し、食糧問題の解決に向けた新たな食文化を提案する。志摩市の美しい景観を守りながら、環境と調和した観光のあり方を世界に示す。
そのためには、行政だけでなく、地域住民、企業、研究機関など、多様な主体が連携し、創造的なアイデアを生み出すためのプラットフォームが必要だ。万博という「祭り」が終わった後も、地域が自立的に発展していくための基盤を築くことが重要だ。
万博は、日本が世界に示す「未来社会のデザイン」を体現する場である。三重県の取り組みが、その一翼を担い、真の地域創生に繋がることを期待する。そのためには、既存の枠組みにとらわれず、大胆な発想と行動力を持って、万博を地域活性化の最大のチャンスとして捉えるべきだ。
三重県の知事と志摩市・南伊勢町の町長がみんなで話し合うよ！,三重県
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