伊勢志摩サミット20周年と地域創生：三重県の持続可能な発展への道筋
先般、三重県の知事と志摩市・南伊勢町の町長が大阪・関西万博での三重県の魅力を発信するイベントに参加した。2025年の万博を契機に、2016年の伊勢志摩サミット開催から20周年を迎える三重県が、地域創生に向けて新たな一歩を踏み出す姿勢を示したと言えるだろう。
伊勢志摩サミットは、国際的な注目を集め、地域経済に一時的な活性化をもたらした。しかし、その効果を持続的な成長につなげるには、構造的な課題への取り組みが不可欠である。少子高齢化の進行、労働力不足、地域産業の衰退といった問題は、地方経済共通の悩みであり、三重県も例外ではない。
万博を機に観光客誘致を強化することは重要だが、真に求められるのは、地域資源を最大限に活用し、新たな産業を創出する戦略だ。豊かな自然、歴史的な文化遺産、そして食といった三重県ならではの強みを活かし、高付加価値な観光商品の開発、地域ブランドの育成、そして先端技術を活用したスマート農業の推進などが考えられる。
特に、南伊勢町の漁業や志摩市の観光業は、地域経済の重要な柱であり、これらの産業の活性化は喫緊の課題だ。漁業においては、資源管理の徹底と漁獲方法の改善による持続可能な漁業の確立、そして加工・流通の効率化による高付加価値化が求められる。観光業においては、インバウンド需要の取り込みに加え、国内観光客の満足度向上に向けたサービスの質向上が不可欠だ。
三重県が持続可能な発展を遂げるためには、短期的なイベント効果に頼るのではなく、長期的な視点に立った戦略が不可欠である。県と市町村が連携し、地域企業、大学、研究機関など、様々な主体が知恵と力を結集し、地域創生に向けた具体的なアクションプランを実行していく必要がある。
2025年の万博は、三重県にとって地域創生の新たなスタートラインとなる。この機会を最大限に活かし、伊勢志摩サミット開催から20年の経験を糧に、三重県が持続可能な発展を遂げることを期待したい。
三重県の知事と志摩市・南伊勢町の町長がみんなで話し合うよ！,三重県
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