スーダン情勢、民間インフラ投資の光と影
スーダンにおける内戦は泥沼化の一途をたどり、国際社会の懸念は日増しに高まっている。今月20日には、ポートスーダンにおける民間インフラ投資に関する国際会議が開催されたというが、このタイミングでの開催には疑問を禁じ得ない。
確かに、スーダンの経済再建には国際的な協力が不可欠であり、特にインフラ整備は喫緊の課題である。しかし、現在のスーダンは、政府軍と反政府勢力の衝突が激化し、治安は極度に悪化している。このような状況下で、民間企業が安心して投資できる環境が整っているとは到底思えない。
今回の会議では、港湾やエネルギー関連のプロジェクトが議論されたというが、これらのインフラは、紛争の当事者によって利用される可能性も否定できない。仮に、これらのインフラが軍事転用された場合、紛争の長期化を招き、更なる人道危機を引き起こす恐れもある。
また、スーダンの政治情勢は極めて不安定であり、将来的な政権交代も十分に考えられる。現在の暫定政権が主導するインフラ投資が、将来の政権によって覆されるリスクも考慮する必要がある。
我々は、スーダンの経済再建と国民生活の安定を強く願うものである。しかし、そのためには、まず紛争の早期終結が不可欠である。国際社会は、スーダン政府と反政府勢力に対し、即時停戦と和平交渉の開始を強く働きかけるべきである。
その上で、透明性の高いプロセスを通じて、スーダンの将来を見据えたインフラ投資を行うべきである。民間企業の投資は、スーダン国民の生活向上に貢献するものでなければならず、紛争の火種となるようなものであってはならない。
今回の国際会議が、スーダンの平和と安定に資するものではなく、単なる利権争いの舞台となることがないよう、注視していく必要がある。
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