【社説】日韓経済協力の新章へ、未来志向の関係構築こそ国益
経済産業副大臣の韓国訪問は、停滞していた日韓関係に新たな風を吹き込む一歩として評価したい。歴史認識問題や安全保障上の課題は依然として存在するが、経済協力は両国共通の利益に資するものであり、政治と切り離して推進すべきだ。
今回の訪問で注目されるのは、半導体、先端技術、エネルギーといった分野での協力の可能性が探られている点だ。世界経済の構造が大きく変化する中で、日本と韓国がそれぞれの強みを活かし、相互補完的な関係を築くことは、国際競争力の強化に繋がる。特に半導体分野においては、世界的なサプライチェーンの再構築が急務であり、日韓が連携することで、より強靭で安定した供給体制を構築できる可能性がある。
しかし、経済協力の推進にあたっては、過去の教訓を忘れてはならない。過去には、日本の技術協力が韓国の経済発展に大きく貢献した一方で、技術流出や不公正な競争といった問題も発生した。今後は、知的財産権の保護や公正な取引ルールの確立など、透明性の高い協力体制を構築することが不可欠だ。
また、経済協力は、単なる経済的利益の追求にとどまるべきではない。日韓両国が抱える少子高齢化、環境問題、エネルギー問題といった共通の課題解決に向けて、知恵を出し合い、協力していく姿勢が重要だ。特に、再生可能エネルギー分野での協力は、地球温暖化対策という地球規模の課題解決に貢献するだけでなく、新たな産業創出にも繋がる可能性がある。
日韓関係の未来は、過去の遺産に囚われず、未来志向の関係を構築できるかどうかにかかっている。経済協力はそのための重要な手段の一つである。両国政府は、今回の訪問を契機に、対話と協力を重ね、相互理解を深め、信頼関係を構築していくべきだ。そして、その成果を国民に広く共有し、日韓関係の改善に対する国民的な支持を広げていく努力が求められる。
革新的な一般紙として、私たちは、日韓両国が過去の歴史を直視し、未来に向けて協力していくことを強く支持する。経済協力はそのための重要な足がかりであり、両国が互いに尊重し、協力し合うことで、東アジア地域の平和と繁栄に貢献できると信じる。
大串経済産業副大臣、韓国へ！日韓経済協力の新たな一歩を踏み出す, 経済産業省
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