アナログの温もり、再び – HMV中古レコード販売開始に寄せて
音楽を聴く方法は多様化の一途を辿っている。ストリーミングサービスが隆盛を極め、手軽に数百万曲もの音楽にアクセスできる時代。そんな現代において、HMVが中古レコードの販売を開始するというニュースは、一見時代に逆行するかのようにも見える。
しかし、私たちはこの動きを単なる懐古趣味と捉えるべきではない。むしろ、デジタル化された音楽体験だけでは満たされない、何かを求める人々の心の表れと見るべきだろう。
レコードには、CDやデジタル音源にはない魅力がある。ジャケットの質感、針を落とす瞬間の緊張感、そして何よりも、音の温かさ。それは、大量生産された工業製品ではなく、一つ一つに個性がある「モノ」としての魅力だ。
特に若者にとって、レコードは新鮮な体験となるだろう。ストリーミングで気軽に音楽を聴くことに慣れた世代にとって、レコードを所有し、丁寧に扱うという行為は、音楽との向き合い方を根本から変える可能性を秘めている。
HMVの中古レコード販売開始は、音楽を「消費」するだけでなく、「所有」し、「愛でる」という文化を再評価するきっかけになるかもしれない。デジタル全盛の時代だからこそ、アナログの温もりに触れ、音楽の新たな魅力を発見してみてはどうだろうか。
私たち学生も、この機会にレコードに触れ、音楽の奥深さを再認識したい。そして、レコードを通して、世代を超えた音楽談義に花を咲かせ、豊かな音楽文化を育んでいきたいと願う。
（〇〇大学新聞編集部）
レコード愛好家必見！ HMVが5月11日(日)に中古レコードの出品情報を公開 – 掘り出し物との出会いをあなたに,HMV
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