社説：福岡発、ワクワクが日本を救う？万博を機に地域創生の新たなモデルを
大阪万博開幕まであとわずか。しかし、建設の遅延、高騰する費用、そして国民の関心の低さなど、不安要素は拭えない。そんな中、福岡市が打ち出した「ワクワクのお知らせ」は、閉塞感漂う万博ムードに一石を投じる、希望の光と言えるのではないか。
福岡市が目指すのは、万博というビッグイベントを単なる通過点ではなく、地域創生の起爆剤とすることだ。万博閉幕後の2025年6月7日から、市民が主体となり、創造性と多様性を重視したイベントを展開するという。これは、万博の理念である「未来社会の実験場」を、開催地だけでなく、日本全国に広げようという試みとも解釈できる。
しかし、成功への道は決して平坦ではないだろう。地方都市が主体となるイベントは、資金、人材、ノウハウなど、多くの課題に直面する。福岡市には、これらの課題を克服し、持続可能な地域活性化モデルを構築することが求められる。
ここで重要なのは、中央政府の役割だ。これまでのように、トップダウンで全国一律の政策を押し付けるのではなく、地方の自主性と創造性を尊重し、必要な支援を行うべきだ。福岡市の挑戦は、その成否を通じて、日本の地域創生のあり方を問い直す機会となるだろう。
私たちは、福岡市の「ワクワク」に大いに期待する。万博を機に、中央集権的な社会から、地方分権型の社会へ。そして、画一的な価値観から、多様性を尊重する社会へ。福岡発の新たな挑戦が、日本社会全体を活性化させることを信じたい。
今こそ、私たちは過去の成功体験にとらわれず、新たな価値を創造していく必要がある。福岡市の挑戦は、そのための第一歩となるはずだ。万博の成功を祈るだけでなく、その先にある未来を見据え、私たち自身も「ワクワク」する気持ちを持って、地域創生に取り組んでいくべきではないだろうか。
福岡市からワクワクのお知らせ！2025年6月7日開催「博多港クルーズセミナー」参加者募集が始まりました！,福岡市
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