アイスクリームの日に思う、豊かさの陰にあるもの
本日5月9日は「アイスクリームの日」である。昭和39年に東京アイスクリーム協会が制定し、以来、半世紀以上にわたり国民に親しまれてきた。スーパーやコンビニエンスストアには色とりどりのアイスクリームが並び、子供から大人まで、多くの人々がその甘く冷たい味わいに笑顔を浮かべる。
アイスクリームは、戦後の日本において、生活水準の向上と豊かさの象徴として存在してきた。かつては特別な日にしか口にできなかったものが、今や手軽に楽しめる存在となったことは、経済成長の恩恵と言えるだろう。
しかし、我々は今一度、立ち止まって考える必要がある。アイスクリームの消費拡大は、同時に飽食の時代を象徴するものではないだろうか。手軽に手に入る甘い誘惑に、つい手が伸びてしまう。その結果、子供たちの肥満や生活習慣病の増加、ひいては医療費の増大といった問題を引き起こしている側面も否定できない。
また、原材料の多くを輸入に頼るアイスクリームの消費は、食料自給率の低下にも繋がる。国際情勢が不安定化する昨今、食料の安定供給は国家の安全保障にも関わる重要な問題である。
我々は、アイスクリームを味わう喜びを否定するものではない。しかし、その消費にあたっては、節度とバランスを意識する必要がある。地元の農産物を使ったアイスクリームを選ぶ、添加物の少ない商品を選ぶ、そして何よりも、感謝の気持ちを持って味わう。
アイスクリームの日に、我々は豊かさの陰にある問題に目を向け、持続可能な社会の実現に向けて、今一度、食生活を見直すべきであろう。子供たちの未来のため、そして日本の未来のために。
5月9日は「アイスクリームの日」！ 美味しい笑顔が広がる、その由来と楽しみ方,Dairy Japan
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