【社説】HAL商品販売手法への消費者庁発表、高齢者保護の視点欠かせず
近年、健康食品や健康器具の販売を巡るトラブルが後を絶たない。この度、消費者庁が健康機器メーカー「HAL」の商品販売方法について注意喚起を行ったことは、看過できない事態である。
報道によれば、HALは体験交流会と称するイベントで高齢者を集め、高額な商品の購入を勧めているという。体験交流会自体は、参加者同士の交流を促し、商品の理解を深めるという点で意義があるかもしれない。しかし、閉鎖的な空間で、巧みな話術や雰囲気によって消費者の判断力を鈍らせ、不必要な商品を購入させるような行為は、断じて許されるものではない。
特に、高齢者は健康への不安を抱えやすく、孤独を感じやすい傾向がある。そのような状況につけ込み、高額な商品を売りつける行為は、社会的に許容されるものではない。HALには、今回の消費者庁の発表を真摯に受け止め、販売方法を抜本的に見直すことを強く求める。
同時に、行政の役割も重要である。消費者庁は、HALに対して厳格な指導を行うとともに、同様の手法を用いる他の事業者に対しても、注意喚起を徹底すべきである。また、地方自治体は、高齢者向けの消費者教育を充実させ、悪質な販売手法に対する警戒心を高める必要がある。
我々は、誰もが安心して消費生活を送ることができる社会の実現を目指すべきである。そのためには、事業者側の倫理観の向上とともに、行政による監視体制の強化、そして消費者自身の知識向上が不可欠である。今回のHALの件を教訓に、高齢者をはじめとする消費者の保護を強化していく必要がある。
消費者庁発表！HALの商品販売方法について、埼玉県の消費者団体とHALが話し合い、改善することで合意,消費者庁
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