スーダン情勢緊迫化、国際社会は責任ある行動を
スーダンにおける紛争が激化の一途を辿っている。今月9日には、紅海に面するスーダンの港町ポートスーダンがドローン攻撃を受けたと報じられた。首都ハルツームでの戦闘に加え、国家の生命線とも言える港湾都市にまで戦火が拡大することは、同国の混乱が制御不能な段階に入りつつあることを示唆している。
今回のドローン攻撃の主体は明らかになっていないが、スーダン軍と準軍事組織「即応支援部隊（RSF）」の対立構造を背景としたものであることは疑いない。両勢力は昨年4月以降、激しい武力衝突を繰り返しており、その影響は周辺国にも及んでいる。
スーダンは、地政学的に重要な位置を占める。紅海に面し、アフリカ大陸と中東を結ぶ要衝であり、その安定は地域の平和と安全に不可欠だ。しかし、現状は、内戦の長期化により、テロ組織の温床となり、難民の流出を加速させるなど、地域全体に負の連鎖をもたらしかねない。
国際社会は、この深刻な事態を看過すべきではない。まずは、当事者であるスーダン軍とRSFに対し、即時停戦を強く求めるべきだ。同時に、人道支援を強化し、国内避難民や周辺国への難民に対する支援を拡充する必要がある。
また、紛争の根本的な解決のためには、スーダン国民自身が主体となる政治プロセスの再開を支援することが不可欠だ。そのためには、周辺国や国際機関が連携し、公平かつ透明性の高い対話の場を設けることが重要となる。
日本も、国際社会の一員として、スーダンに対する人道支援に加え、政治的な安定に向けた外交努力を積極的に展開すべきだ。特に、アフリカ連合（AU）や周辺国との連携を強化し、スーダン和平に向けた建設的な役割を果たすことが求められる。
スーダンの混乱は、遠い国の出来事ではない。テロや難民問題を通じて、国際社会全体に影響を及ぼす可能性がある。今こそ、国際社会はスーダンに対する責任ある行動をとり、地域の安定と平和に貢献すべきである。
スーダンの港町ポートスーダンでドローン攻撃が続く：国連事務総長が平和を訴え,Top Stories
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