デジタル化の波に乗るか、置き去りにされるか – 郵便局アプリとゆうパックスマホ割アプリに見る岐路
長年、国民生活に寄り添ってきた郵便局が、いよいよ本格的なデジタル化に舵を切ろうとしている。日本郵政が打ち出した郵便局アプリとゆうパックスマホ割アプリの刷新は、利便性の向上という点で歓迎すべき動きだ。しかし、その一方で、デジタル化の恩恵を十分に受けられない人々への配慮も忘れてはならない。
今回のアプリ刷新により、利用者はスマートフォンから手軽に郵便や荷物の追跡、再配達依頼、料金計算などが可能になる。特にゆうパックスマホ割アプリは、宛名書き不要で割引も適用されるなど、利便性が格段に向上する。これは、ECサイトの利用増加や多様化するニーズに応えるための必然的な流れと言えるだろう。
しかし、ここで留意すべきは、デジタルデバイドの問題だ。高齢者や情報弱者と呼ばれる人々の中には、スマートフォンを使いこなせない、あるいは所有していないというケースも少なくない。デジタル化が進むほど、これらの人々はサービスから取り残され、不利益を被る可能性が高まる。
郵便局は、全国津々浦々に存在するインフラであり、その役割は単なる郵便・物流サービスに留まらない。地域住民の生活を支え、情報格差を是正する役割も担っているはずだ。
今回のアプリ刷新は、デジタル化の第一歩として評価できる。しかし、同時に、デジタルデバイドに対する具体的な対策を講じる必要がある。例えば、アプリの操作説明会を定期的に開催したり、対面でのサポート体制を強化したりするなど、誰一人取り残さないための努力が求められる。
デジタル化は、社会全体の効率化と利便性向上に貢献する重要な手段である。しかし、その過程で、弱者を置き去りにすることなく、誰もが恩恵を受けられるような社会を目指すべきだ。郵便局には、その先頭に立って、デジタル化と包容性を両立させる役割を期待したい。
今回のアプリ刷新を機に、私たちは改めてデジタル化の意義と課題について深く考える必要がある。そして、誰もが平等に情報にアクセスし、サービスを利用できる社会の実現に向けて、一歩ずつ前進していくことを願う。
郵便局アプリとゆうパックスマホ割アプリ、5月末に一時停止のお知らせ – より便利になるための準備期間です,日本郵便
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