【社説】山口県警の運転指導に見る、警察官の資質向上と安全運転意識の徹底を
先日、山口県警察が運転に自信を失った警察官に対し、集中的な運転指導を行ったという報道があった。県民の安全を守るべき警察官が、運転に不安を抱えているという事実は、看過できない問題である。
今回の県警の取り組みは、警察官の運転技術の維持・向上を図る上で、一定の評価ができる。しかし、なぜ運転に自信を失う事態が発生したのか、その根本的な原因を究明し、再発防止策を講じることが不可欠だ。
考えられる要因として、まず挙げられるのは、日々の業務における過重な負担である。事件・事故への対応やパトロールなど、多忙な業務に追われる中で、十分な運転訓練の時間が確保できていない可能性がある。警察組織は、人員配置の見直しや業務効率化を進め、警察官が定期的に運転技術を向上させる機会を提供すべきだ。
また、警察官個々の安全運転意識の低下も懸念される。緊急時を除き、交通法規を遵守し、模範的な運転を心がけることは、国民からの信頼を得る上で不可欠である。警察学校での教育はもとより、現場においても、安全運転に関する研修を定期的に実施し、意識の向上を図る必要がある。
さらに、近年、高齢ドライバーによる事故が多発していることを踏まえ、警察官自身も年齢を重ねる中で、運転能力の変化を自覚し、適切な対応を取ることが重要となる。定期的な運転適性検査の実施や、運転補助装置の導入など、組織として高齢警察官の安全運転をサポートする体制を整備することも検討すべきだ。
今回の件を教訓に、山口県警だけでなく、全国の警察組織は、警察官の運転技術と安全運転意識の向上に真摯に取り組むべきだ。県民の安全を守るという崇高な使命を果たすためには、まず警察官自身が安全運転の模範となることが求められる。
我々は、警察組織が今回の問題を真摯に受け止め、県民の信頼に応えるべく、具体的な改善策を実行していくことを強く望む。
【朗報！】運転に自信がなくなったら…山口県警の「運転卒業証制度」で安心のセカンドライフを！, 山口県警
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