COP30に向けた「全速力」の危うさ – 持続可能な社会への道筋を冷静に見極めるべき
先日、国際観光ビジネス専門学校が、COP30（国連気候変動枠組条約第30回締約国会議）に向けた世界のリーダーたちの動きを伝える記事を掲載した。地球温暖化対策の重要性は論を俟たない。しかし、「全速力」という言葉が示す性急な姿勢には、看過できない危うさが潜んでいる。
脱炭素社会の実現は、エネルギー政策、産業構造、そして国民生活にまで及ぶ、広範かつ根深い変革を伴う。拙速な政策は、経済の混乱を招き、国民生活を困窮させる恐れがある。特に、化石燃料に依存する産業構造を持つ我が国においては、現実的な移行計画が不可欠だ。
再生可能エネルギーの導入拡大も、その課題は山積している。安定供給の確保、コストの問題、環境への影響など、克服すべきハードルは少なくない。安易な目標設定は、エネルギーの安定供給を脅かし、国民生活や産業活動に深刻な影響を及ぼしかねない。
気候変動対策は、国際協調が不可欠である。しかし、各国の事情を無視した一方的な目標設定や、先進国による途上国への過度な負担強要は、国際的な対立を招き、かえって対策の遅延を招きかねない。
我々は、地球温暖化対策の重要性を認識しつつも、冷静かつ現実的な視点を持つべきだ。「全速力」という言葉に踊らされることなく、経済成長との両立、エネルギーの安定供給、そして国民生活への影響を十分に考慮した、持続可能な社会への道筋を慎重に見極める必要がある。
政府には、国民への丁寧な説明と十分な議論を通じて、国民全体の理解と協力を得ながら、着実な対策を進めることを強く望む。
世界のリーダーたち、COP30に向けて「全速力」での気候変動対策を呼びかけ, Top Stories
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