【社説】万博「美しい国みえ」パビリオン、三重県の魅力発信に期待と課題
2025年大阪・関西万博まであと一年。先日、三重県が出展する「美しい国みえ」パビリオンのプレゼンテーションキャンペーンが開催され、その内容が一部公開された。本紙は、このパビリオンが三重県の魅力を国内外に発信する上で重要な役割を担うと期待する一方で、いくつかの課題も指摘したい。
まず、期待される点として、パビリオンのテーマである「めぐる、つながる、ひらめく」が、三重県の豊かな自然、歴史、文化、そして人々の交流を象徴していることが挙げられる。特に、VR技術を活用した体験型展示は、若者世代にとって三重県の魅力を身近に感じられる絶好の機会となるだろう。また、県内企業との連携による特産品の販売やPRは、地域経済の活性化にも繋がる可能性を秘めている。
しかしながら、課題も存在する。一つは、パビリオンのコンセプトが抽象的であり、具体的な展示内容との関連性が不明瞭な点だ。「美しい国みえ」という言葉だけでは、来場者の心に響かない恐れがある。より具体的なストーリーやメッセージを打ち出す必要があるだろう。
二つ目は、万博後の活用方法が明確でない点だ。パビリオンは、万博期間中だけでなく、その後の観光客誘致や地域活性化に繋げるための戦略が不可欠である。例えば、パビリオンで展示されたVRコンテンツを県内の観光施設で活用したり、県内企業との連携を強化したりするなど、長期的な視点での取り組みが求められる。
最後に、若者世代への訴求力強化も重要だ。今回のプレゼンテーションキャンペーンでは、地元の高校生が参加するなど、若者の関心を引く試みが見られた。しかし、万博は若者にとって、未来を考える上で貴重な機会となるはずだ。パビリオンの企画段階から若者の意見を取り入れ、彼らが主体的に参加できるような仕組みを作るべきだ。
万博は、三重県にとって千載一遇のチャンスである。県民一人ひとりが万博を自分事として捉え、積極的に関わることで、三重県の魅力を最大限に発信し、未来に繋げていくことができるはずだ。本紙は、三重県の万博成功に向けて、今後もその動向を注視し、建設的な提言を行っていく。
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