電気・ガス料金支援終了：真に持続可能な社会への転換を急げ
政府による電気・ガス料金の負担軽減支援が、いよいよ終わりを迎える。物価高騰に苦しむ家計にとっては痛手となるだろう。しかし、この支援終了を、安易な延命策を求めるのではなく、日本のエネルギー政策、そして社会構造そのものを抜本的に見直す契機とすべきだ。
これまで、政府は国民生活への影響を緩和するため、多額の税金を投入して支援を続けてきた。だが、これはあくまで一時的な措置に過ぎない。化石燃料への依存度が高い日本のエネルギー構造が変わらない限り、世界情勢に左右され、価格高騰のリスクに常に晒される状況は変わらない。
真に必要なのは、再生可能エネルギーへの積極的な投資と、省エネルギー社会の実現に向けた具体的な政策だ。太陽光発電、風力発電といった自然エネルギーの導入を加速させ、地域分散型のエネルギー供給体制を構築することで、価格変動の影響を最小限に抑えることができる。
同時に、企業の省エネ投資を促す税制優遇措置や、住宅の断熱性能向上に対する補助金制度を拡充し、国民一人ひとりの省エネ意識を高める必要がある。古い住宅や設備の改修を支援することで、エネルギー効率を高め、長期的な視点での家計負担軽減にも繋がる。
さらに、今回の支援終了を機に、社会保障制度のあり方も問い直すべきだ。物価高騰の影響を受けやすい低所得者層への支援策を強化するとともに、最低賃金の引き上げや雇用の安定化を図ることで、家計の安定を図ることが重要だ。
単に電気・ガス料金の負担を軽減するだけでなく、エネルギー政策の転換、社会構造の改革を一体的に進めることで、初めて真に持続可能な社会を築くことができる。政府には、目先の対策に終始することなく、未来を見据えた大胆な政策を打ち出すことを強く求める。
今こそ、化石燃料に依存した経済からの脱却を図り、再生可能エネルギーを基盤とした、より強靭で持続可能な社会へと舵を切るべき時だ。
［お知らせ］国の電気・ガス料金負担軽減支援事業と当社業績に係る報道について, 北海道電力
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