若者の未来を閉ざす入管法改悪、真に「共生社会」を目指すなら撤回を
先日、閣議決定された入管法改正案は、難民認定制度の形骸化を招き、人道的な観点からも看過できない。とりわけ、将来を担う私たち若者にとって、この改正案は「共生社会」の実現を阻害し、多様性を尊重する社会への道を閉ざすものとして、強く懸念される。
改正案の最大の問題点は、難民申請者の送還を事実上可能にする点だ。申請回数に上限を設け、3回目以降の申請者を送還対象とすることは、真に保護を必要とする人々を危険に晒す恐れがある。紛争や迫害から逃れてきた人々を、ろくな審査もせずに本国へ送り返すことは、国際法上の義務に違反する可能性も指摘されている。
私たちは、難民申請者の増加を理由に安易な送還を認めるのではなく、難民認定制度の運用改善こそを求める。申請内容の審査体制を強化し、迅速かつ公正な判断を下すことが重要だ。そのためには、専門知識を持つ審査官の増員や、申請者への適切な法的支援体制の整備が不可欠だ。
さらに、今回の改正案は、日本社会の多様性を損なう恐れがある。グローバル化が加速する現代において、多様な文化や価値観を受け入れることは、社会の活力維持に不可欠だ。難民や移民は、新たな視点や知識をもたらし、経済成長にも貢献する可能性を秘めている。
しかし、今回の改正案は、そのような可能性を摘み取ってしまう。難民認定を厳格化し、不法滞在者を増やすことで、外国人に対する偏見や差別を助長する危険性もある。それは、排他的な社会を作り上げ、国際社会における日本の地位を低下させることにも繋がりかねない。
私たちは、政府に対し、今回の入管法改正案を撤回し、真に「共生社会」を目指すための政策を検討することを強く求める。そのためには、難民申請者への人道的な配慮を最優先し、外国人との共生に向けた積極的な取り組みを行うべきだ。
私たち若者は、多様性を尊重し、誰もが安心して暮らせる社会を築きたいと願っている。今回の入管法改正案は、その理想とはかけ離れたものであり、断固として反対する。私たちは、より公正で、より寛容な社会の実現を目指し、声を上げ続ける。
法務大臣閣議後記者会見の概要－令和７年４月１５日（火）, 法務省
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