法務行政の信頼回復こそ急務 国民の納得得る丁寧な説明を
先日、斎藤法務大臣の閣議後記者会見が開かれた。会見の内容は多岐にわたるが、国民が最も関心を寄せているのは、依然として続く法務行政に対する信頼の揺らぎであろう。
大臣は会見で、再発防止策の徹底と組織風土の改革を強調したが、言葉だけでは国民の不安を払拭することはできない。具体的な取り組みとその進捗を、透明性をもって開示していく必要がある。
特に、出入国在留管理庁における外国人収容問題は、人権意識の欠如が指摘され、国際社会からも厳しい目が向けられている。今回の会見では、この問題に対する具体的な改善策が十分に示されたとは言い難い。人権尊重の理念に基づき、収容の長期化を避けるための制度見直しや、収容者の処遇改善を早急に進めるべきだ。
また、法務省が所管する刑事政策についても、国民の安全を守るという視点から不断の見直しが求められる。近年、高齢者を狙った悪質な詐欺事件が後を絶たない。犯罪抑止のため、刑罰の厳罰化を含めた議論を深めるべきではないか。
法務行政は、国民の権利と自由を守り、社会の秩序を維持する上で不可欠な役割を担っている。それゆえ、法務行政に対する国民の信頼は、民主主義社会の根幹を支える基盤となる。
斎藤大臣には、今回の会見を機に、国民の声に真摯に耳を傾け、法務行政の信頼回復に向けて強いリーダーシップを発揮することを期待する。そして、その取り組みを、隠すことなく、丁寧に国民に説明していくことが重要である。
我々は、法務省が国民の期待に応え、公正で信頼される行政を実現していくことを強く望むものである。
法務大臣閣議後記者会見の概要－令和７年４月１５日（火）, 法務省
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