法務大臣訪越に見る、共産主義国家との「法の支配」確立の難しさ
鈴木貴子法務大臣がベトナムを訪問し、共産党幹部と会談を行った。表向きは法務協力の推進が目的とされているが、共産主義国家との「法の支配」確立に向けた道のりは、依然として険しいと言わざるを得ない。
ベトナムは経済成長を遂げているものの、依然として共産党一党支配体制であり、言論の自由や集会の自由は厳しく制限されている。法制度においても、党の意向が優先される傾向が強く、透明性や公平性の確保には課題が多い。
今回の会談で、鈴木大臣はベトナム側に法の支配の重要性を説いたと推測されるが、共産党幹部がどこまで真摯に受け止めたかは疑問が残る。共産主義国家における「法の支配」は、あくまで党の支配を正当化するための道具として利用される危険性があるからだ。
日本は、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を外交の柱として掲げている。ベトナムとの関係においても、経済協力だけでなく、人権状況の改善や民主化を強く働きかけるべきである。
特に、政治犯の釈放や言論の自由の保障は、法の支配確立の前提となる。日本政府は、これらの問題について、ベトナム政府に対し、具体的な進展を求めるべきだ。
共産主義国家との関係構築は、経済的な利益だけでなく、価値観の共有という視点も不可欠である。鈴木大臣の訪越を機に、ベトナムにおける法の支配確立に向けた具体的な進展を注視するとともに、日本政府には、毅然とした態度で人権問題に取り組むことを期待したい。
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鈴木馨祐法務大臣が、ベトナム共産党中央内政委員会常務副委員長による表敬訪問を受けました。, 法務省
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