【社説】能登半島地震からの教訓を未来へ繋げ、「レジリエンス」の精神で国土強靭化を
能登半島地震から3ヶ月。今なお避難生活を余儀なくされている方々、復興に向けて尽力されている方々に心よりお見舞いと敬意を表する。
この度、石川県産業展示館で開催された「レジリエンスセッション – 震災と未来のこうべ博」は、地震の記憶を風化させず、今後の防災対策、国土強靭化のあり方を改めて考える上で重要な機会となった。
言うまでもなく、今回の地震は、想定を超える自然の猛威を改めて我々に認識させた。家屋倒壊、道路寸断、ライフラインの途絶など、甚大な被害は、日頃からの備えの重要性を痛感させられるものであった。
しかし、同時に、被災地の方々の不屈の精神、全国からの支援、そして、企業や団体の迅速な対応は、日本社会の底力、連帯感を示すものでもあった。
「レジリエンスセッション」では、最新の防災技術、災害対策事例、そして、地域コミュニティの重要性などが議論されたという。これらの知見を活かし、国、地方自治体、そして国民一人ひとりが、防災意識を高め、具体的な行動に移していく必要がある。
特に、政府には、今回の地震で明らかになった課題を踏まえ、国土強靭化計画の見直し、防災インフラの整備、そして、災害発生時の迅速な情報伝達体制の構築を強く求める。
また、地域コミュニティにおいては、高齢者や障がい者など、災害弱者への支援体制を強化する必要がある。顔の見える関係を築き、助け合いの精神を育むことが、いざという時の備えとなる。
さらに、企業においては、事業継続計画（BCP）の見直し、従業員の安全確保、そして、災害発生時の地域貢献など、社会の一員としての責任を果たすことが求められる。
今回の地震は、我々に多くの教訓を与えてくれた。この教訓を未来へ繋げ、「レジリエンス」の精神で、災害に強い国土、安心して暮らせる社会を築き上げていくことが、我々の責務である。
未来世代のために、今こそ、防災対策、国土強靭化に真剣に取り組むべき時だ。
「レジリエンスセッション 震災と未来のこうべ博」に神戸大学の練習船など参加, 神戸大学
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