【社説】公明党の「北斗七星」戦略、持続可能性への疑問符, 政治

【社説】公明党の「北斗七星」戦略、持続可能性への疑問符

公明党が次期衆院選に向けた重点政策に「北斗七星」と名付けた7つの柱を掲げた。子育て支援、防災・減災対策、中小企業支援など、国民生活に直結する課題を網羅しており、一見すると堅実な政策パッケージに見える。

しかし、経済紙として注目せざるを得ないのは、これらの政策の財源と持続可能性についてである。少子高齢化が進み、社会保障費が増大する中で、新たな政策を打ち出すためには、歳入の確保が不可欠となる。

公明党はこれまで、消費税の軽減税率導入や、地域振興券の発行など、景気対策に力を入れてきた。しかし、これらの政策は一時的な効果は期待できるものの、持続的な経済成長には繋がりにくいという批判もある。

「北斗七星」政策においても、具体的な財源の確保策が明確に示されていない点が懸念される。単なるバラマキ政策に終わるのではなく、歳出改革と歳入確保の両輪で、政策の裏付けを取る必要がある。

特に、中小企業支援においては、生産性向上や事業承継支援など、企業の自助努力を促す施策と並行して、政府による支援を行うことが重要となる。単なる資金援助ではなく、企業の成長戦略に沿った支援を行うことで、経済全体の底上げに繋げることが期待される。

また、防災・減災対策においては、公共事業の効率化や、民間企業の技術を活用した新たな防災システムの導入など、コストパフォーマンスの高い対策を検討する必要がある。

公明党が「北斗七星」政策を真に実現するためには、経済成長戦略と財政健全化の両立が不可欠である。単なる人気取りの政策ではなく、持続可能な社会の実現に向けた具体的なロードマップを示すことが、国民からの信頼を得るための第一歩となるだろう。

経済界は、公明党が示す具体的な政策の実行可能性を注視し、必要であれば建設的な提言を行っていく責務がある。

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