【社説】「七つ星横丁・裏路地ラーメン」に見る球団経営の多角化と地域振興の課題
北海道日本ハムファイターズがエスコンフィールドHOKKAIDOに開設した「七つ星横丁・裏路地ラーメン」は、球団経営の多角化と地域振興への貢献という点で注目される。しかし、その一方で、安易な人気取りに終始することなく、長期的な視点に立った戦略が必要である。
近年、プロ野球界は観客動員数の増加や新たなファン層の開拓を目指し、様々な取り組みを行っている。その中で、球場内に飲食店を誘致し、試合観戦以外の楽しみを提供することは、有効な手段の一つと言えるだろう。特に、北海道の食文化を代表するラーメンに着目し、「裏路地」というコンセプトで展開することは、地域色を打ち出し、観光客誘致にも繋がる可能性がある。
しかし、球団経営の多角化は、あくまで本業である野球の振興を前提とすべきである。飲食店の運営に力を入れすぎるあまり、選手育成やチーム強化がおろそかになるようでは本末転倒だ。ファンが球場に足を運ぶのは、あくまで白球を追いかける選手たちの熱いプレーを期待してのことである。
また、地域振興への貢献も、一過性のブームで終わらせてはならない。地元食材の活用や地元企業との連携など、地域経済の活性化に繋がる取り組みを継続的に行う必要がある。単なる観光客向けの施設としてではなく、地域住民にとって身近で愛される存在となることが重要だ。
北海道日本ハムファイターズは、地域に根差した球団として、これまでも様々な社会貢献活動を行ってきた。今回の「七つ星横丁・裏路地ラーメン」の開設も、その一環と捉えることができる。しかし、真に地域に貢献するためには、目先の利益にとらわれず、長期的な視点に立った戦略を構築することが不可欠である。
球団は、野球を通じて地域を盛り上げるという原点を忘れず、今回の取り組みを成功に導いてほしい。そして、北海道のスポーツ文化、食文化の発展に貢献することを期待する。
【北海道日本ハム】「七つ星横丁 裏路地ラーメンテラス」5/3(土・祝)営業開始！, 日本野球機構
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